ブロックチェーンを活用

女性ファッション誌の編集者だった浦田庸子は、日本ではなじみの薄いエシカルスコアを普段使いする文化形成に携わりたいと、チームに合流。自身も「雑誌のサステナビリティ特集で、スタイリストが集めてきた服のサステナビリティをどう定量化すればいいのか分からなかった」過去がある。客観的な指標を求め、個人的にも愛用していたのが、欧米中心に約900万人が利用するグッド・オン・ユーだった。

日本では第三者機関による忖度なき指標を警戒する企業も多いが、欧州のサステナビリティ法規制の強まりで風向きは変わってきている。

EUでは27年以降、繊維製品にも製品情報の開示やサステナビリティ要件が適用される見通しだ。この対応手段としてデジタル製品パスポート(DPP)の活用が事実上不可欠となり、トレーサビリティの透明化はEU輸出の「免許証」となるだろう。

アップデーターは独自の電力ブロックチェーンで培った技術をアパレルに応用した「タドリチェーン」を開発。原料調達から廃棄までのライフサイクル情報を2次元コードで管理でき、2次流通にも引き継がれる。

DPP開発は大手も続々参入中の成長分野だが、アップデーターはアパレル出身スタッフがEUの規制対応に適応しつつ、在庫管理やマーケティング、通関業務の効率化、真贋証明などを取り入れ、優位性を発揮している。

浦田は、「日本企業はサステナビリティを定性で語る傾向があるが、情報開示の流れでサステナビリティを定量化して成長戦略に組み込む考え方にシフトしていくのでは」と期待を寄せる。

欧州ではグッド・オン・ユーが商業不動産とショッピングモールを丸ごとSXする指標開発に乗り出すなど、社会実装にエシカルスコアを取り入れる動きも出てきている。「日本でもいずれこうした指標開発ができたら」と浦田は語る。

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