<気候変動、地理的孤立、脆弱なポストソビエト経済ーーキルギスの厳しい気候やオオカミの脅威に晒されながらも、もてなしや忠誠を重んじ、古来の暮らしを守る村人たちの姿を家族のような眼差しで捉え、過酷な環境とそこに生きる人々の絆を鮮やかに描いた写真集>

アメリカ人ドキュメンタリー写真家のルーク・オッペンハイマーは、2021年の冬、中央アジアのキルギスを東西に貫く天山山脈に入った。羊飼いが暮らすオットゥク村で、家畜の馬や羊を襲うオオカミを駆除するハンターたちを取材するためだ。

キルギスには「たった1度の霜で十分だ」という言葉がある。冬季の天山山脈では、気温が一気にマイナス35度まで下がることもあり、放牧した羊を一晩放置すれば、全てが凍え死んで一家の生計は失われてしまう。そうした過酷な自然環境に生きる村人たちの姿を追いかけるうちに、オッペンハイマーは村の共同体に徐々に受け入れられ、ある家族の一員として迎え入れられる。取材期間は当初の1カ月の予定から4年へと延びていった。

今年5月に出版される写真集『オットゥク』(エイリアンズ・イン・レジデンス刊)は、オッペンハイマーが過酷な天山山脈の環境に生きる人々と共に暮らし、彼らの生きざまや言葉をつぶさに記録したドキュメンタリーだ。

bookcover.jpg LUKE OPPENHEIMER: OTTUK

45 color photographs

Hardcover

9.2" × 11.5" (23.3 cm x 29.2 cm)

90 ページ

$65.00 | €55.00 | £50

ISBN: 979-8-9857628-22

5月1日発売
Aliens in Residence


次ページ:【写真特集】天山山脈を生きるオオカミハンター 写真集「OTTUK」から作品紹介

Photographs from "OTTUK" by Luke Oppenheimer, published by Aliens in Residence

撮影:ルーク・オッペンハイマー

米オクラホマ州出身のライター兼ドキュメンタリー写真家。大学で南米史を学び、南米、中央・東南アジアで、農村のコミュニティーと人々の暮らし、野生生物との共存をテーマに作品を制作している。本作は新作写真集『オットゥク』(エイリアンズ・イン・レジデンス刊)に収録

【連載第1023回】Newsweek日本版 写真で世界を伝える「Picture Power」2026年4月7日号掲載

細胞を「生物学的資産」として管理する時代へ──iPS細胞治療の最前線
細胞を「生物学的資産」として管理する時代へ──iPS細胞治療の最前線
【写真特集】天山山脈を生きるオオカミハンター