■庶民が実際に不安を抱いていること
自衛官による中国大使館侵入事件に対して、中国の一般市民は関心を示していない。むしろ張の急死に将来への不安を重ねている。競争が極度に激しく、内向きに凝り固まった中国社会の中で、特権もカネもない一般家庭にとって張は一本のわらのような存在だった。そして今、そのわらが失われた。
日本社会が心配するほど、中国社会は外交秩序に関心を持っていない。むしろ、彼らは個人の生計に不安を抱く。日中は交わらない二本の平行線のようだ。政府がどれほど「祖国統一」「民族復興」という大理想を語っても、庶民が実際に不安を抱いているのは、生き延びるための現実である。
「家に金脈がないなら理想を語るな」という張の言葉そのものではないか。
ポイント
加油! 张雪峰
頑張れ! 張雪峰
張雪峰
本名・張子彪(チャン・ツーピャオ)。1984年、黒竜江省チチハル市生まれ。大学受験情報の動画配信で人気の教育系インフルエンサーに。中国SNSのフォロワー数は5000万人に上った。教育関連会社の社長で資産家でもあった。張の突然死をきっかけに、中国で増えている心血管疾患への関心が改めて高まった。
鉄道黄金期を迎えたヨーロッパを旅する――コリン・ジョイス(ジャーナリスト)/豪快かつ特異なアメリカ大陸鉄道史/膨張する中国鉄路の野望/「夢の超特急」リニアの現実/韓国、アフリカ、インド……世界を駆ける鉄道新事情