中央銀行のモデルは「経済主体は将来を見据え、金融当局がいずれ2%のインフレ目標を達成すると信じている」との前提に基づいている。ECBのスタッフ予測もこの楽観論を反映する。22年3月には、インフレ率は利上げを行わなくても5.1%から23年に2.1%まで落ち着くと予想した。

だが22年7月にECBが利上げに踏み切った際、インフレ率は8%を超えていた。

ラガルドECB総裁は、現在のエネルギーショックが4年前より小規模であることを十分に認識している。3月25日の講演でも、インフレ率の上昇は一時的との見方を示した。ECBのスタッフ予測も、悪いシナリオでも26年のインフレ率は3.5%程度と目標をやや上回るにとどまり、来年には2%に戻ると見込んでいる。

環境政策を犠牲者にするな

それでもECBは行動を起こす構えのようだ。ラガルドは25日の講演で「反応しない反応関数」は一般市民の理解を得られず「コミュニケーション上のリスク」を招きかねないとし、「長期間ではなくとも、インフレが(ECBの目標を)大幅に超過するならば」「完全に放置するべきではない」とも述べた。

中期金利の上昇は、欧州でもアメリカでも年内に金融引き締めが行われると金融市場が予想していることを示す。

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