匿名性は追跡を困難にし、インサイダー情報による利益を証明することも同様に難しい。また「不正の報酬が摘発リスクを上回る」状況が存在すると述べた。

この点についてカルシに尋ねると、「死亡や戦争に直接結びつく市場は認めていない」とした上で、今回の発表は「インサイダー取引の禁止と監視に向けたこれまでの取り組みを強化するものだ」と説明した。

本誌はポリマーケットにも電子メールでコメントを求めている。

実際には、極めて高精度の予測で利益を上げる個人の存在が常態化していることから、「市場は操作されているのではないか」という認識が広がっている、とヘルシー・マーケッツ協会のゲラッシュ氏は指摘する。

この認識は市場の「健全性と存続可能性」に疑問を投げかけ、誠実な参加者の参入を妨げる一方、他の参加者には自分もルール違反を犯してみようとする動機を与えかねない。

皮肉にも、こうした的中率の高い賭けの存在が、予測市場を世論調査のような予測指標として見る動きも生んでいる。

現在、イランの今後の展開に関連するポリマーケットの契約は約260件が公開されている。24日までに米国とイランが停戦に合意するとの賭けには約3000万ドルが投じられているが、その確率は13%にとどまる。

一方、同日までに米軍がイランに地上侵攻する確率は24%と、25日の16%から上昇している。

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