
日本国内でも3Dプリンター建築への注目度は高い。2018年創業のセレンディクスはJR西日本と連携し、和歌山県有田市の初島駅で世界初となる3Dプリンター駅舎を建設。運行に支障が出ない終電から始発までの間のわずか2時間ほどで駅舎を組み上げ、話題を呼んだ。
また、能登半島地震被災地の復興住宅としての活用や、老朽化した交通インフラの建て替えなど、迅速な作業が求められる現場への導入も期待される。
同社は今年1月、スタートアップの成長を支援する東京都の「キングサーモンプロジェクト」にも採択された。都電荒川線での活用を想定し、プラットホームの一部を3Dプリンターで建造する実証実験を実施している。
東京都が都市課題の解決に挑む国内外のスタートアップを集め4月末に開催する、スシテック東京にも参加予定だ。
重い住宅ローンに怒り
「スタートアップの存在価値は課題解決。その根底にあるのは怒りだ」と、同社共同創業者の飯田國大は語る。住宅コストが高騰するなか、多くの人々が長期の住宅ローンに苦しんでいる。その怒りを解消すべくセレンディクスを立ち上げた。
創業当初は、3Dプリンターで住宅を造ることを誰も信じてくれなかった。しかし飯田は、「返済期間30年の住宅ローンゼロ」を目標に掲げ、小さな雪だるまをコロコロ転がして大きくするように、協力してくれる仲間を募っていった。
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