<供給不足なのに薬局では薬が大量廃棄されている。こうした無駄を解消すべく「ある薬剤師」が始めた取り組みが注目されている──>

2020年に後発医薬品メーカーの不祥事が発覚し、10社以上に業務停止命令が出て以降、日本全国で医薬品の供給不足が続いている。解消の兆しが見えないなか、「いつもの薬」がなくなる恐怖は誰にとっても人ごとではない。

その一方で、実は薬局では薬が大量に処分されている。使用されないまま放置される「不動在庫」の推計額は1店舗当たり年間平均約20万円、全国では約117億円。

卸売業者からの仕入れには最小単位(ロット)の制限があり、特定の患者用に用意した薬も、処方変更が生じた時点でその大半が不動在庫となる。さらに薬には厳格な使用期限があり、それを過ぎた薬は廃棄するしかない。

こうした無駄を解消すべく、薬局間で医薬品の売買を可能にするプラットフォーム「イヤクル」が22年から運営を開始した。代表取締役の佐孝尚(さこうなお)は、イヤクルの事業と並行し、北海道の薬局グループで執行役員を務める現役の薬剤師だ。

佐孝はグループ内全店舗で医薬品の廃棄金額を可視化し、余った薬を別の店舗に譲渡するシステムを構築することで6000万円分の不動在庫解消に成功していたが、社内だけの取り組みに限界を感じていた。そこで、全国規模の協力体制を構想したことが起業の動機となった。

スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のアップサイクル」とは?
スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のアップサイクル」とは?
PR
「メルカリ」を手本にして・・・