そもそもパキスタンにとって、この停戦は仲介国のメンツを立てる名目的なものにすぎなかった。しかもアフガニスタンのタリバン政権は停戦合意に含まれるTTPへの支援停止や国外追放に応じる気配を見せず、結果としてTTPによるパキスタンへの攻撃は激しさが増していた。
そして2月6日のモスク襲撃では礼拝中の31人が死亡、約170人が負傷した。こうなるとパキスタン側も事態を座視できず、アフガニスタン領内にあるテロ組織の拠点をたたく決断を下したらしい。
米軍の撤退を受けて21年に復権したタリバンが、今なおTTPのような武装勢力を保護しているというパキスタン側の主張には一定の根拠がある。
例えばロシア外務省は2月23日、アフガニスタン国内にはさまざまな国際テロ組織の戦闘員が2万~2万3000人ほど存在し、その半数以上は外国籍だと指摘した。その内訳は、TTPが5000~7000人、過激派組織「イスラム国」(IS)系が約3000人、アルカイダ系が400~1500人などとされる。
2月初めに出た国連安全保障理事会の報告書も、TTPはタリバン政権に「優遇」されていると指摘していた。この報告書によれば、TTPはアルカイダ系テロ組織などとの連携により活動の範囲を広げており、「当該地域を超えた脅威」になりつつある。
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