「上流・下流・中流」で異なる原油高の恩恵

エネルギー関連株に投資する上で押さえておきたいのが、事業構造による恩恵の違いです。

上流(採掘)企業は、原油価格の上昇が販売単価の上昇に直結します。採掘コストが急変しなければ、売値の上昇分がそのまま利益に上乗せされやすく、原油高の恩恵を最もストレートに受ける業態です。

これに対して下流(精製・販売)企業は、原油高そのものよりも、ガソリンや軽油などの製品価格との差額(精製マージン)が広がることで利益を出します。原油価格が上がった際に製品価格も上昇して利幅が確保できれば追い風になりますが、原油だけが急騰して利幅が縮むと利益が出にくくなる点に注意が必要です。

そして、中流(輸送・貯蔵)企業は、原油価格よりも輸送する量や手数料が収益のカギとなります。上流から下流まで幅広く手がける統合型企業の場合は、原油高の追い風を取り込みつつ収益源が分散されている、という強みを持ちます。

日米の注目エネルギー関連株

では、具体的にどのようなエネルギー企業が、原油高の恩恵を享受するのか。日米それぞれの注目銘柄を見てみましょう。

■原油高の恩恵を受ける日本企業

INPEX<1605>は日本の資源開発大手で、採掘(上流)を主力事業とするため原油高がダイレクトに業績のプラスとなります。今回のホルムズ海峡を巡る緊張下でも原油収益の拡大が見込まれており、株価は上場来高値を更新するなど力強い動きを見せています。

コスモエネルギーホールディングス<5021>は石油精製・販売を担う国内大手です。原油上昇局面での利益拡大は製品価格との利幅に左右されますが、予想配当利回りが約3.7%(3月13日時点)と高水準である点が魅力です。

■統合型メジャーで手堅く攻めるアメリカ企業

シェブロン<CVX>は、石油の採掘から精製・販売まで一貫して手がける統合型メジャーの代表格です。原油上昇時には採掘部門の利益が増え、下落時でも精製・販売部門が下支えする分散効果を持っています。特筆すべきは30年以上の連続増配実績で、インフレへの警戒が強まる中で資産を守りながら配当金を得る有力な候補です。

エクソン・モービル<XOM>は世界最大級の統合型メジャー企業で、「原油高の象徴」として取り上げられることの多い銘柄です。原油・天然ガスの価格動向が業績に反映されやすく、エネルギー業種全体のムードを牽引する存在となっています。

エネルギー関連株に投資する際の注意点