<映画賞にノミネートされるのは単体で完結される作品が一般的だが>

毎年1~3月は世界中で映画関係者がドキドキするシーズン。前年公開作品の映画賞ノミネート、受賞発表が集中するからだ。ただそんな賞レースも、これまで日本のアニメ関係者にはあまり縁がなかった。選ばれるのは欧米の話題作。スタジオジブリの映画が受賞することはあったが、選んでくれればありがたいという受け身の姿勢であって、積極的に賞レースに加わるわけではなかった。

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それがいま様変わりしている。2018年に米アカデミー賞にスタジオジブリ作品以外では初めて、細田守監督の『未来のミライ』がノミネート、ゴールデングローブ賞では『犬王』(22年)、『すずめの戸締まり』(23年)が候補になった。

アニメ界のアカデミー賞と呼ばれるアニー賞では今年、長編映画、テレビシリーズ、監督賞、脚本賞など日本関連で10以上ものノミネートがあった。外国で日本アニメの劇場公開が増えていること、日本作品を配信するプラットフォーマーが積極的に推しているのも理由だ。

アメリカの映画業界では、関係者が積極的に賞獲りを目指す。選ばれるには素晴らしい作品であることは最低条件で、さらに積極的なプロモーションが必要になる。シーズンになると業界誌、サイト、メールマガジンに「是非、検討を!(For your consideration)」の広告が飛び交う。業界向け試写会が実施され、スタッフが作品に対する熱い想いを語る。作品を知ってもらい、その素晴らしさを訴える......アメリカのアワード文化は独特だ。

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