「超法規的殺人」で4200人以上が犠牲に
国家警察は「捜査現場で容疑者が武器を所持している、抵抗した、逃走した、などという場合に限って警察官は武器を使用しており、人権侵害との指摘は当たらない」との見解を繰り返し、これまでに警察官によって射殺された容疑者は4200人以上としている。
人権団体などによるとさらに多くの犠牲者が報告されているが、その中には正体不明の犯人による殺人、ライバル麻薬組織などによる私的処刑、どさくさに紛れた麻薬と無関係の殺人などが含まれ、死者の総数は8000人以上との情報もある。
こうした「仁義なき戦い」が繰り広げられているフィリピンの麻薬戦争に、小学校生徒までを含めた「麻薬対策」の拡大導入が果たしてどんな混乱を教育現場に惹起させることになるのか、教育省など教育関係者は深刻に受け止めている。
ドゥテルテ大統領の支持率は最低に
こうしたなか、フィリピンの民間調査機関である「ソーシャル・ウェザー・ステーション(SWS)」が7月10日に最近のドゥテルテ大統領の支持率調査の結果を発表した。
6月27日から30日の間、全国の成人1200人を対象にした調査でドゥテルテ大統領への「支持」を表明したのは65%、「不支持」は20%、「どちらでもない」が15%となった。
支持の65%は前回調査の2018年3月より5%下がり、過去最低だった2017年の67%より低い数字で、大統領就任以来最低の結果となった。SWSの分析によるとドゥテルテ大統領の支持は都市部(59%=前回より13%減)と貧困層(63%=同7%減)での下落が顕著だったとしている。
就任直後は約80%という高支持率だったドゥテルテ大統領も国民が感じることのできる経済再生策の効果も乏しく、以前よりは過激度や回数が減ったものの相変わらずの問題発言や振る舞いに、都市部住民や日々の暮らしが精一杯の貧困層では人気に翳りが出てきたとみられている。
麻薬対策にしても麻薬組織や麻薬犯罪との関係が取りざたされた市長が暗殺されるなど、相変わらず治安は悪い。そうした現在の麻薬対策が教育現場に持ち込まれることで、麻薬犯罪の低年齢化を防ぐことができるのか、あるいは教育現場が混乱するのか、PDEAと教育界の対立が続いている。

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