Nobuhiro Kubo Tim Kelly

[東京 17日 ロイター] - 川崎重工業の橋本康彦社長は17日、政府が防衛費を一段と増やす姿勢を鮮明にする中、2030年度に最大7000億円を見込んでいた防衛事業の売上高が上振れそうだと明らかにした。「高市(早苗)政権になってよりクリアになった」とし、検討している案件が受注に結びつく「予見性の確度がより高まっていくと考えている」と述べた。ロイターなどの取材に答えた。

政府は27年度まで5年間の防衛費を前期間比約1.5倍の43兆円程度に増やす計画を進めており、防衛装備メーカーは受注や売り上げが急増。川崎重工は22年度に約2400億円だった防衛事業の売上収益(売上高に相当)が30年度に5000─7000億円に増えると見通していたが、今年10月に発足した高市政権が計画の見直しを表明し、防衛費を上積みする方針を掲げた。

橋本社長は「7000億円はほぼいけると思っている。むしろ上振れる可能性もあると考えている」と語った。「広範囲にわたっていろいろな案件がある。目指している案件がこれから具現化したり、量的に増えていく可能性がある」という。川崎重工は航空機や潜水艦、ヘリコプター、ミサイル用エンジン、無人機、レーザーなど幅広い装備品を手掛けているが、橋本社長は具体的な案件に言及しなかった。

政府・与党が防衛装備輸出の規制緩和を議論していることについては「ビジネスを広げる機会ではあると思う」とした。オーストラリアは8月、海軍の次期フリゲート艦に海上自衛隊の「もがみ型」護衛艦の能力向上型を選定した。日本の完成品の武器輸出は20年に決定したフィリピンへの警戒管制レーダーに続いて2件目で、川崎重工はもがみ型にエンジンを供給している。

橋本社長はこのほか、データセンターの普及などで需要が高まる発電用ガスタービンの生産能力を1.5倍に増強すると説明。また、30年度までに10%超を目指している連結の事業利益率(営業利益率に相当)について、防衛を含め半分以上の事業が27年度に達成すると明らかにした。

資本政策にも言及し、「(自己)資本比率をそれなり強化することや、配当をどうするかを含め議論している」と語った。

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