それでも若者が観ないものだから、もっと若者を惹きつけようと、「ラップ・ミュージック」を使ったプロパガンダを強制した。同じ画面が「他のページ」にも転載されている(いずれも左下コーナーにある▲をクリックし、15秒間ほど広告を我慢すると、ラップが始まる)。
ネットユーザーの力が勝つ日は必ず来る
こんな状況にあったので、当局が押し付ける、誰も見ないイラストより、自分たちが創ったものの方がよほど面白いと考えたネットユーザーがくまのプーさんを使い始めたのだろう。このアクセス数は凄まじく、筆者も何度も「うまい!」と思いながらクリックしたものだ。それはやがてクリックしても「法規により閲覧できません」という削除対象となり、今日まで至っているというのが現状だ。
たしかに「まぬけなプーさん」と習近平を対比させたのは、「習近平を小バカにしている」というニュアンスはあるだろう。事実、ネットユーザーの方も共産党など好きではないから、そのニュアンスを込めたにちがいない。まともな政治批判などをしたら逮捕されるのを知っているので、くまのプーさんに「思い」を込めたのかもしれない。
しかし当局側が「人のいいプーさん」と解釈すれば許容範囲内だと思うが、そんな度量はない。これがやがて「政府転覆罪」につながる運動に発展していくのが習近平は怖いのだ。
悪いことをしていなければ、こんなことを怖がる必要はないと思うが、「悪いことをしている」から、そんな度量は持てないのである。
ネット情報がもっと広がれば、削除と「新しいプーさん」の創出のイタチゴッコとなり、逆にネットユーザーの疑心を招いて「人民が真実を知る日」がやがて来るだろうことは明らかだ。その意味で、戦略的なはずの中国政府にも限界があることを、習近平は覚悟すべきだろうと思う。
