Nathan Layne Joseph Ax Jeff Mason
[ミルウォーキー(米ウィスコンシン州)/リホボスビーチ(米デラウェア州) 18日 ロイター] - 米共和党の大統領候補に指名されたトランプ前大統領は18日に共和党全国大会で指名受諾演説を行い、自身が負傷した暗殺未遂事件について語り、「全能の神のご加護」のおかげでこの場にいると強調した。
13日の事件後に演説するのは初めて。「何かが飛ぶ大きな音がして右耳に強い打撃を受けた。銃弾に違いないと思った」と死を免れた状況について話した。聴衆は熱狂した様子で、トランプ氏が「私はここにいるはずではなかった」と語ると「あなたはここにいるべきだ」と叫んだ。
血を流した自身の写真が背後のスクリーンに映し出される中、トランプ氏は現場でそばに駆けつけてくれたシークレットサービスの警護官を称賛し、死亡したボランティア消防士のコリー・コンペラトーレさんを追悼して彼の消防ヘルメットにキスをした。
15日に開幕した共和党大会では参加者が異口同音にトランプ氏を称賛し、同氏の下で党の結束がかつてないほど強まっていることを印象づけた。
トランプ氏は演説の冒頭でいつもの攻撃的な姿勢を抑え、融和色を前面に出した。「私は米国の半分ではなく国全体の大統領になるために立候補している。半分のために勝利してもそれは勝利ではない」と訴えた。
ただ、その後はいつもの激しい口調で、国を「破壊」しているとしてバイデン現政権を批判。自身が起訴されているのは民主党の陰謀の一環だと根拠なく主張し、民主党のバイデン大統領が「第3次世界大戦」を引き起こすとしたほか、南部国境を移民が越えてくることを「侵略」だと表現した。
<大会史上最長>
演説は90分以上に及び、大会史上最長の演説となった。当初の融和色は雲散霧消し、いつものように大げさな表現と不平不満を織り交ぜ、民主党が2020年の大統領選を盗んだという虚偽主張を繰り返した。
また、自分だけがこの国を確実な破滅から救うことができると主張。「私なら電話一本で戦争を止めることができる」と語った。
トランプ氏の演説が終わると、天井から風船が落ちる中、同氏の家族と副大統領候補に指名されたJ・D・バンス上院議員がステージに上がった。選挙戦ではめったに姿を見せないトランプ氏の妻メラニアさんも18日に今週初めて同氏に寄り添った。
バンス氏は年齢がトランプ氏の半分となる39歳で、トランプ氏の「アメリカを偉大にする運動(Make America Great Movement)」のイデオロギー的後継者と広く見られている。
トランプ氏はバンス氏に「J・D、君はこれを長く続けることになる」、「楽しんでくれ」と声をかけた。
トランプ氏が求心力を高める一方で、バイデン大統領は11月の大統領選からの撤退を求める声を真摯に受け止めており、複数の民主党関係者はバイデン氏による候補辞退は時間の問題と考えているという。事情に詳しい複数の関係筋が匿名で明らかにした。