山西省は今週、環境改善計画の一環として、鉄鋼生産能力を高めるような新たなプロジェクトは禁止すると発表。だが現行の生産能力を維持したゾンビ製鉄所の復活は、問題になってはいないようだった。

 経済協力開発機構(OECD)によれば、2015年は世界の鉄鋼生産能力の30%以上が未使用であり、世界中の鉄鋼メーカーだけでなく、中国のメーカーにとっても圧力となっているという。

 とはいえ中国では、多くの製鉄所を生き返らせた活気は、上海鉄筋先物価格に現れている。25年ぶりの低成長から脱却すべく政府が債務に依存するインフラ投資を奨励するなか、同価格は昨年12月初めから今年4月終わりまでの間に80%上昇した。

 建設資材である鉄筋の先物価格はそれ以降、25%下落している。フィッチ・レーティングスのローラ・ザイ氏は、同価格が昨年第4・四半期の水準にまで下がると、再開した製鉄所が再び生産を停止することになるとの見方を示した。

 インフラ投資の主な目安となる固定資産投資の伸びがほぼ15年ぶりの低水準にとどまっていることから、価格の回復がいつまで続くかは疑問だとザイ氏は指摘。

 「鉄鋼のようなコモディティーにとって、価格回復の真の支援材料としてファンダメンタルズは欠かせない。今年はファンダメンタルズの変化はあまり見られない」と、同氏は語った。

 電気工のWang Dehuiさんにとって、再開したばかりの山西宏達鋼鉄の製鉄所での仕事は家の近くで働けることを意味するが、将来については幻想を抱いてはいないという。

 「長くは続かないだろう。鉄鋼価格が良ければ生産を続けるだろうが、下がればまた製鉄所を閉めるだろう」と、Wangさんは麺をすすりながらこう話した。

 (John Ruwitch記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

[襄汾県(中国) 11日 ロイター]
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