先ほどの堀江氏の発言に戻りますが、実は堀江氏はこうも言っています。「金で買えないものは差別につながる。血筋、家柄、毛並み。金だけが無色透明で、フェアな基準ではないか」

 先ほどの「金で買えないものなどない」は、堀江氏の発言の一部をメディアが悪意的に取り上げ、おもしろおかしく書こうとしたために、悪い印象になってしまっただけなのです。

 M&Aもそうですが、買ったから偉いわけでもなければ、売ってしまったから魂を売り渡したわけでもありません。

 売却した売り手は、その功績にふさわしい対価を得て、売り手自身がより自分の能力を発揮できるような事業へと歩を進めることができるのです。

 M&Aの仕組みとは、買い手側は自分の能力をより発揮する機会をその会社を買ってくることによって増やし、売り手は売り手で、売却して得た資金を使って自分がより能力を発揮できる他の事業を始められる、ということなのです。


『ビジネスの世界で戦うのならファイナンスから始めなさい。』

 正田 圭 著

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