アジアのライバルに完敗

 家計債務は住宅ブームのあおりを受けて、6月末時点で1257兆ウォン(約122兆円)という歴史的水準まで膨らんだ。政府は今年、来年とも2・5%前後の経済成長を見込んでいるが、韓国経済研究院は今年第4四半期は前期比でマイナスに落ち込むと予測している。

 IMFは声明で、韓国経済は「多くの構造問題」に直面していると指摘。高齢化する人口、輸出依存、一部企業の脆弱性、労働市場のゆがみ、生産性の低さ、不十分なセーフティーネット、巨額の家計債務などを挙げ、格差と貧困も懸念材料とした。

 今年上半期に16年の成長率を2・7%と下方修正したOECD(経済協力開発機構)は17年の成長率予測についても、当初の3・6%から3・0%に、さらに2・6%へと2度も下方修正した。

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 世界経済フォーラムが公表した最新の国際競争力ランキングで、韓国の順位は26位。28位の中国より上だが、日本(8位)、香港(9位)、台湾(14位)といったアジアのライバルに大きく後れを取った。

 通貨ウォンは10月、対ドルで3・7%下落。韓国総合株価指数(KOSPI)は1・7%の下落で、東アジア各国で最悪の数字だった。だが市場のいら立ちをよそに、国会では野党による朴の弾劾決議の検討が引き続き進められるなど、事態収拾が困難な状況が続いている。

 韓国経済は北朝鮮の核実験、旅客船セウォル号の沈没事件など、さまざまな衝撃を乗り越えてきた。だが財閥への逆風、外部環境の悪化、権力の空白という三重苦に見舞われる可能性が高まった今は、素早い危機からの脱却を願うことしかできない。