欧州では最近、極右勢力の台頭が目立つ。昨年10月にはポーランドで保守強硬派の新政権が誕生。12月に行われたフランスの地方議会選挙の第1回投票では、移民排斥を掲げる極右政党の国民戦線が大躍進した(決選投票では全敗)。難民受け入れに寛容だったドイツでも、近頃は国民の反難民感情をあおる右派政党が支持率を伸ばしている。

 一方、イタリアの極右勢力は特定の政党に集結するものではないと、フォトジャーナリストのカール・マンチーニは指摘する。政治思想や歴史観、宗教によってさまざまな組織に分かれ、彼らが集う「地下世界」も、ナイトクラブに図書館、サッカースタジアムなど多岐にわたる。

【参考記事】ドイツを分断する難民の大波

 マンチーニはそうした複雑で多様な顔を持つ、イタリアの極右勢力に迫った。そこから国境を超えてネットワークを広げる欧州の極右の姿も見えてきた。

 彼らにとっての聖なる言葉は、「仲間意識」と「所有権」だ。極右組織ゼニトがローマで開いた結成10周年集会では、こんな演説が聞かれた。「私たちは降伏のにおいがする過去と決別し、未来を奪うために闘う。共闘を望まない者とは戦場で会うことになるだろう」

ppright02.jpg
セルビアの極右民族主義政党「セルビア急進党」の本部に集まったフィンランドやイタリア、スペインなどの極右メンバーたち
ppright03.jpg
14年2月にシリア和平会議が開かれたスイスのジュネーブでアサド支持派のデモに参加する欧州の極右勢力