欧州最大のがん学会において免疫療法の治験結果を詳しく調べた腫瘍学者たちが思い知らされたことは、さまざまな患者グループに最適な治療法を見つけるには、さらに研究が必要だということだ。

「免疫療法の将来は、この先10年、もしくは15年かけて定義されると思う」とローザンヌ大学病院の肺がん専門家、ソランジュ・ピーターズ氏は語る。

 免疫療法の成功例と、潜在的な売り上げが最大400億ドルに達しようかという市場の展望を前にしながらも、古参のがん専門家は注意を促している。

「腫瘍学は、このように際限のない悲観論と過剰な楽観論のあいだを行ったり来たりしている。だから、慎重になる必要がある」とESMOのFortunato Ciardiello会長は言う。

 もっとも、投資家は素早く態度を決め、10日午前の市場ではブリストルの株価が10%下落する一方で、メルクは2001年以来の高値をつけた。

がん細胞を反撃

 免疫療法では、免疫系のブレーキを解除し、体内のナチュラルキラー細胞が腫瘍を攻撃することを許容することにより、健康な組織を巻き添えにするほどの毒性を伴う化学療法とは別のアプローチを提供する。

 免疫療法にも副作用がないわけではないが、より身体に優しい選択肢であり、効果もはるかに長く続くことが約束されている。

 ブリストル、メルク、ロシュは免疫療法薬について米国の認可を得ており、ブリストルとメルクは欧州でも薬を販売している。だが中国はまだこれらの薬を認可していない。

免疫療法と化学療法を組み合わせる可能性