英不動産ファンドの解約を停止する動きが止まらない。欧州連合(EU)離脱を決めた6月23日の英国民投票以降、解約を停止した資産運用会社は6日までに7社となり、金額としては180億ポンド(230億ドル)と2008年の金融危機以降で最大となっている。
ヘンダーソン・グループ<HGGH.L>傘下のヘンダーソン・グローバル・インベスターズは6日、英不動産PAIFファンドとフィーダーファンド39億ポンドの解約を一時停止すると発表。「異常な流動性圧力」が理由と説明した。
その後、アメリプライズ・グループ<AMP.N>傘下のコロンビア・スレッドニードルがスレッドニードル英不動産ファンドの解約を停止したほか、カナダ・ライフは不動産ファンドと英不動産ファンドの解約を停止した上で「これは解約の延期で、期間は最大6カ月となる可能性がある」とした。
4日と5日には、スタンダード・ライフ<SL.L>傘下のスタンダード・ライフ・インベストメンツ、アヴィヴァ<AV.L>傘下のアヴィヴァ・インベスターズ、プルーデンシャル<PRU.L>傘下のM&Gインベストメンツが解約を停止。またブラックロック<BLK.N>は前週、英不動産ファンドの償還手数料を引き上げている。
また、アバディーン・アセット・マネジメント<ADN.L>は6日遅くに、一時的に英不動産ファンドの取引を停止すると発表した。
商業不動産の評価損が銀行に及ぼす影響を懸念する声もあるが、過去5年の銀行のエクスポージャーは比較的小さく、むしろシャドーバンキングセクターへの影響が懸念されるとアナリストは指摘する。
デモントフォート大学の試算では、2015年末時点で1830億ポンドだった商業不動産ローン市場のうち、英銀行のエクスポージャーは約900億ポンドだった。
メディオバンカ・セキュリティーズによると、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)<RBS.L>のエクスポージャーが250億ポンドと一番大きいが、同行資産に占める割合は5%だった。続いて、ロイズ・バンキング・グループ<LLOY.L>が180億ポンド(資産の2%)、バークレイズが110億ポンド(同1%)となっている。
銀行は不動産ローンへのエクスポージャーを縮小し、資本増強を進めたことから、不動産価格が下落しても2008年よりも持ちこたえることができると当局は指摘している。
