
母が患っていたのは、2013年にようやく精神疾患として認められた「むちゃ食い障害(BED)」だった。
アメリカには280万人の患者がいるらしいが、幸いにして今は治療薬がある。糖尿病に使われるオゼンピックと同じ成分の薬で、これを使えば絶望的な飢餓感から(ある程度まで)解放されるという。
その後、母は子宮癌を患い、64歳で在宅ホスピスケアを受けることになった。当然、体重は減る。母は喜び、肥満解消の会に行って「25キロ痩せました」の記念チャームをもらいたいと言い出した。
もう出かけるのは無理でしょ、と私は突き放した。でも今は後悔している。体重が減ったことのお祝いは母の最後の望みだった。それからすぐ、母は帰らぬ人となった。
食べた後にちゃんと満腹感を得られ、むちゃ食いしては後悔するという悪循環に陥らないで済んでいたら、母はきっと自分を愛し、受け入れて生きることができたはず。そうしたら、私との関係も違っていたよね、ママ。
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