製薬会社のバイエルやエネルギー会社のイーオンも、業務時間外のメールチェックをしなくてよい、するべきではない、としている。本来ならばそれが普通の対応だが、わざわざ発表するところに、それまでドイツ企業が24時間メールチェック体制を強いていた無言の圧力を感じさせる。

仕事用のスマホやパソコンを会社に置いて帰宅しても、どうしてもメールをチェックしてしまうもの。それならばと思い切った対応に出たのが、自動車業界のダイムラー。2013年から、休暇中の社員に届くメールは自動的に削除するようにしてしまったのだ。

さらにより厳重にしたのが、フォルクスワーゲン。2011年から、平日は就業時間30分後の18時15分から翌朝7時まで、週末と祝日は全日、スマホのメールサーバーを切っている。とはいえ、この対応は一部の社員に限られる。トップマネージャーは常にスマホを手に24時間仕事体制、のイメージは変わらない。

ビルケンシュトック社のようにCEO自ら、脱スマホに乗り出しているのは興味深い。「スマホをやめたからといって、仕事を減らしているわけではない。24時間いつでも電話は受けますよ。スマホを使わないことで、重要じゃないことをふるい落とそうと思うんです」とライヒェルト。

昨年から、フランスでは勤務時間外にメールチェックをしない権利を決める法律を施行したが、見直すべきはそこ(だけ)ではなく、まずはスマホによる時間の浪費なのかもしれない。

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