循環型社会の実現に貢献する、小さな一歩として

sdgswashi202209-pic4.jpg
葉たばこの幹を乾燥させ、水で洗ってアクを抜き、煮詰める(上段・左から)。この「煮熟」が終わると、繊維を切りほぐしたり押しつぶしたりする「叩解」を経て、和紙の原料に(下段・左から) Photo:丸重製紙企業組合

葉たばこの幹を乾燥させ、水で洗ってアクを抜く。そして、それらを煮詰める「煮熟」という工程と、機械により繊維を切りほぐしたり押しつぶしたりする「叩解(こうかい)」の工程を経ると、和紙の原料となる。

丸重製紙企業組合の代表理事、辻晃一氏によれば、葉たばこの幹はバナナの茎などと比べても繊維質が丈夫で叩解に苦労したため、煮熟を丁寧に実施することで対応したという。

その後は、機械で和紙に抄き(冒頭の写真)、卓上カレンダー580部とA4ファイル約1000枚を製造した。使った幹は約330本。乾燥後の重量は約23.5キログラムだった。

完成した美濃和紙は、薄いクリーム色で、繊維質が残る模様が美しい。厚みがあり耐久性を備えながらも、柔らかな風合いを保ち、捨てられるはずだった葉たばこの幹から作られたとは思えない。

小さいながらも、廃棄物の排出量抑制など循環型社会の実現に貢献する一歩であり、美濃和紙の魅力と可能性を発信する取り組みでもある。

丸重製紙企業組合の辻氏は、「今後は、和紙を通じてより多くの葉たばこの幹のリサイクル量が増え、葉たばこの幹の焼却で発生するCO2の削減や、新規木材パルプの使用削減につなげること」で貢献していきたいと、展望を語る。

過去ではなく、未来へ。日本の伝統工芸品である和紙は、これからもその可能性を広げていくだろう。

japan_banner500-season2.jpg