男女間の賃金格差もひどい。格差の大きさでは世界の153カ国中121位。夫婦別姓を可能にする法改正も、まだ実現していない。

日本の人口の半分以上は女性だ。たとえどんな政権であれ、常態化した女性への偏見の解消に取り組むことを優先してほしい。しかし今の自民党が自発的に動くとは思えない。女性の社会参加が広がれば経済的な恩恵が得られるという議論で、説得するしかないのかもしれない。

景気の刺激にも有効

複数の研究によると、一般に女性議員は汚職に対して厳しく、公共事業の無駄にもよく目を光らせる。もちろん職場のセクハラや賃金格差の解消にも力を尽くし、子育て世代のために公的保育を充実させることにも熱心だ。

そういうことが実現すれば日本でも女性の活躍する舞台が増える。その経済効果はGDPを大きく押し上げる可能性がある。新型コロナウイルスで経済が疲弊している今、女性の進出を促すのは景気の刺激にも有効だろう。

加えて、女性政治家は権力の座にあっても協調を重んじる傾向にあり、超党派での問題解決を好むとされる。また野田聖子に言わせると、女性議員の増加は少子化対策の強化にもつながる。出産・育児にまつわる不安やストレスの軽減には、賃金や就労条件の改善が一番だ。

言うまでもないが、立候補者や議員のクオータ制は理想の解決策ではない。有能な男性候補の排除にもつながりかねない。しかし現状はもっと差別的で不公平だ。

今はまだ、時代遅れの社会的な因習と威圧的で頑強な縁故主義が女性の政治参加を阻んでいる。近隣諸国に比べて立ち遅れている現状を変えるには、強制力のあるクオータ制を導入するしかない。

女性議員が「無視できない少数派」を形成でき、世間の見る目も変わったら、クオータ制は廃止すればいい。だがそこに至るまでの過程では強制力のある法制で女性議員を増やすことが必要だ。

日本で女性は人口の51%を占めるが、女性議員は10%もいない。口先だけの安倍が去った今、次の総選挙では女性が躍進し、政治を動かせるだけの議席を獲得できることを願うばかりだ。

From thediplomat.com

<本誌2020年10月6日号掲載>

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