絶対位置センサーに加え、toioのコア キューブは、傾きを感知する加速度センサーも搭載している。

これにより、toioのソフト「トイオ・コレクション」では、レゴブロックなどでデコレーションした2台のコア キューブをtoio リングを使って操作し、相手をひっくり返したほうが勝ちという「クラフトファイター」というゲームを楽しめる。ひっくり返ったことを加速度センサーが感知して、toio コンソールから勝敗を知らせる音が鳴るのだ。

「レゴだったり自分で作った工作だったり、好きなモノをゲームの主人公にするような感覚によって、既存のおもちゃよりも感情移入して楽しめるはず。すごく大きなものを作ったり、とがった形のものを作ったり、より強い形を作るのが工夫のしどころです」と田中さん。こうしたソフトは今後、発表済みのバンダイなども含めパートナー各社からもリリースを予定している。

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toioのソフト「トイオ・コレクション」の「クラフトファイター」で遊ぶ様子。相手をひっくり返したほうが勝ち。トイオ・コレクションは5つのゲームで遊べ、市場推定価格5000円前後(消費税別) Photo:廣川淳哉

大反響で初回限定400セットが即完売

toioの製品化にあたっては、多くの人々にプロトタイプを試してもらい、その声を取り入れた。ソニー本社の近隣の小学校PTAに協力を仰ぎ、toioのプロトタイプを使った相撲大会などを実施して、子供たちに実際に触れてもらうことで、さらに商品性を高めていったという。

そうして完成したこのデジタル玩具、実際の反響はどうだったのだろうか。

田中さんによれば、東京おもちゃショー2017での展示は盛況だった。「お子さんだけで600人以上、全体で数千人に体験してもらいました。そのうち95%以上は大満足という反応で、購入希望者や取り扱いたいという店舗も多かった」

反響の中には、プログラミングに対応してもらいたいとの声もあり、「こうしたニーズに応えられるよう検討していきたい。売れ行きは非常に順調で、目標を超える予約が入った」と田中さん。お披露目後に行った先行発売では初回限定特典セット400個を即座に売り切り、先行予約も好評のうちに終了したという(6月末で受付終了)。

小さい頃はロボット工作が趣味で、高専時代にはロボコンの全国大会に出場経験がある田中さんは、「ロボットを作るなかで、足りないスキルを身に着けて、チャレンジすることの楽しさみたいなものを感じてきたように思います」と振り返る。

田中さんは最後に、今後の展望をこう語った。

「ソニーとしては、ロボット技術によって新しいエンターテインメントを作っていきたい。子供たちが楽しめる商品を提供したいという考えの中から出たのが、今回はおもちゃでtoioでした。本年度は日本のみでの展開ですが、toioは言語や文化に依存しないだれでも使えるものなので、海外展開も視野に入れています」

ある意味で「ソニーらしい」研究者たちの熱意から生まれた、まったく新しいデジタル玩具。それがtoioなのかもしれない。結果的に時代のニーズにも合致し、さらには日本から世界へ飛び出す可能性も秘めている。

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