強まるインフレ圧力、岩盤物価に異変

バイト率の上昇については、物価高という別の要因も深く関係する。コメなどの食品高騰のほか、長年にわたり価格が安定し「岩盤物価」と言われてきた家賃の値上がりが若者の懐を圧迫している。不動産情報サービスのアットホームが公表した賃貸マンションの平均家賃動向では、東京23区内の単身者向け物件の募集価格が今年5月に初めて10万円の大台を超えた。

不動産価値の向上などが理由で、8月は同10万3952円と、昨年の同時期より1割も高い。今月からバイトの最低賃金が各都道府県で順次引き上げられるとはいえ、物価の上昇スピードに追い付いていないのが実情だ。

 

自民党の高市早苗総裁は物価高対策を最優先にする方針を掲げるが、公明党が自民との連立から離脱することになり、政策の実現には不透明感が漂い始めている。足元では円安・ドル高の傾向に拍車がかかるなどインフレ圧力は依然として強く、学業とバイトの両立に迫られる大学生は今後も増えそうだ。

第一生命経済研究所の星野卓也・主席エコノミストは「長らく雇用増加の主な牽引役は女性と高齢者だったが、ここにきて学生をはじめとした25歳未満の若者の存在感が大きくなっている」と指摘した上で、税制改正により学生バイトの働き控えにつながる「年収103万円の壁」が解消したことも、就業率の上昇に寄与している可能性があるとの見方を示した。

(小川悠介 編集:橋本浩)



[ロイター]
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