<1995年、世界で最も豊かな国の一つだった日本。だが円安が進むいま、海外アルバイトの給与が日本の平均月収を上回るまでに購買力は低下した――>


▼目次
1.平成初期との比較で感じる日本の地位の変化
2.日本が「移民を送り出す国」に戻る可能性

1.平成初期との比較で感じる日本の地位の変化

私が日本に来た1995年、この国では何もかもが高価だった。

ほかの外国人在住者と同じく節約を心がけ、いつか円で報酬をもらえたらと願っていたものだ。

当時、パリのオーバーツーリズム(観光公害)は金持ちの日本人観光客とイコールで、ルーブル美術館周辺は彼らを乗せたバスだらけだった。

この夏、オランダで美術を学ぶ21歳の娘からアルバイト給与額を聞いた私は絶望感に襲われた。世界での日本人の立場はどうなったのか......。

8月中、フランス北西部の町のテニスクラブでバーテンダーとして働いていた娘は「週給600ユーロなの」と、当然のように言った。

円に換算すれば、週給約10万3200円(1ユーロ=約172円)。月額はおよそ41万3000円だ。

昨年の日本の単身世帯の実収入月平均額(37万247円)を上回り、女性の単身勤労者世帯の勤め先収入平均(29万7173円)より約39%多い。

日本人の購買力がむしばまれていることは、ガソリンや小麦などの輸入品を購入する際、日常的に感じるはずだ。とはいえ外国では、痛いほど実感する。

フランスに一時帰国する私に、友人らは「値段を円換算するな。落ち込むだけだから」と忠告した。

「いいフランス料理店を見つけた。フルコースのランチが2500円」と、日本にいる妻が私に言った。

フランスでは、外食すれば、最低40ユーロ(約7000円)はかかる。

フランス人にとって、今や日本は格安の旅行先だ。

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【note限定公開記事】日本人の「平均月収」は「海外バイト以下」?...円安が映す国力の転落


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