5歳の男の子との間に何があったのか

ヘンドリックスによる差別の標的になったのは5歳の自閉症の少年。公園で少年がヘンドリックスのオムツバッグからアップルソースのパウチを取ったことがきっかけだったという。少年の父親とともにヘンドリックスも少年を追いかけ、食品を取り返す際に少年に差別用語を浴びせた。

その場にいた別の黒人男性がヘンドリックスを咎めると、彼女は差別的な言葉を使ったことを認めたうえ、「彼がそんなことをしたからだ」と発言し、今度はその黒人男性に向かって同じ「Nワード」を浴びせた。

地元の司法当局は「この事件は繊細かつ複雑な性質」であるため、長期の捜査と被害者家族との慎重な協議が必要だったとしている。なお、NAACP(全米黒人地位向上協会)ロチェスター支部は、少年の家族を支援するためGoFundMeで34万ドルを集めた。

ロチェスターのキム・ノートン市長は声明で次のように述べた。「この出来事は、特に有色人種のコミュニティに大きな影響を与え、地域社会に深刻な混乱をもたらした。直接関与した人々だけでなく、地域全体、さらには州・国レベルの議論にまで波及する影響力があると認識している」

NAACPロチェスター支部も声明を出し、「これは単なる不適切な行為ではなく、子どもに対する意図的な人種差別的で脅迫的で憎悪に満ちた言葉による攻撃である。そのように扱われなければならない」と主張した。

ヘンドリックスはGiveSendGoで寄付を募った後にこう述べている。「私たちの未来に関わる重大な出来事が動き出している。人生を変えるような出来事が起こっている。すべては皆さんのおかげだ。詳しいことは言えないが、私たちはすべて順調。これからも自分自身のために声を上げ、合衆国憲法修正第一条(言論の自由)のために闘い続けてほしい」

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