第1に、今の中国は毛沢東時代より開放的でも、共産党内部の政治構造を読み解くのはさらに難しくなっている。
毛時代には、中国の政治派閥は急進派(共産党系の毛陣営)か、現実派(当時の周恩来首相が率いた国務院グループ)のどちらかに属していた。
ライバル同士の両者は現在、巨大企業アリババなどの株主として産業政策への影響力を争い、企業支配を画策する一方、親子2世代にまたがる婚姻・離婚の連続によって複雑に絡み合った関係にある。
こうした内情は、共産党の犯罪組織めいた秘密主義のベールに包まれ、中国のソーシャルメディアで面白おかしく騒ぎ立てられている。そのため、観測筋の分析はさらに落とし穴にはまりやすくなる。
第2に、最近の権力争いの主要プレーヤーとされる人物の大半は、毛時代と比較して「軽量級」だ。その時々の動きに応じて、位置付けが極端に変化することもある。
いい例が、2022年の第20回党大会で中央軍事委員会副主席に再任され、注目されるようになった張又俠(チャン・ヨウシア)だ。習とは、父親同士が同郷の戦友の間柄で、アナリストはたちまち最側近と評した。だが今では根拠もないまま、習の敵対勢力の中心といわれている。
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