遺産だが利益はない

小麦栽培は開拓者らが切り開いてきたもので、グレートプレンズの歴史に深く根を下ろしている。

黄金色の茎の写真はホテルのロビーや道路標識を飾り、町の名前にも小麦に関する言葉が含まれている。ネブラスカ州出身のピューリッツァー賞受賞作家、ウィラ・キャザーは有名な詩で「耕されたばかりの広大な土壌、重く黒く、力強さと厳しさに満ちて」と、この土地を称えた。

 

しかし現在、米国の小麦栽培は一貫して減少しており、農家はトウモロコシや大豆の生産や、牛の飼育の方が確実な利益を得られるようになった。

「小麦栽培は遺産だが、利益は出ない」と語るのは、カンザス州コルビーで4万エーカー(1万6000ヘクタール)の農場を経営するフラーム・ファームランドのロン・フラーム最高経営責任者(CEO)だ。この郡の周辺には現在、風力発電所が点在している。農家はかつて小麦栽培専業だったが、干ばつの頻発と世界的な競争による価格下落を受け、多角経営に乗り出している。

フラム氏自身は現在、主にトウモロコシを栽培しており、小麦の生産量は全体の5%にとどまることもある。「トウモロコシは確かに利益が出る」とフラム氏は語った。



[ロイター]
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