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ワクチンをめぐる誤情報が接種率低下を招いている JAN SONNENMAIR/GETTY IMAGES

WHO(世界保健機関)がアメリカではしかの排除成功を宣言したのは、2000年のことだった。しかし近年、状況が変わり始めているのかもしれない。

「気がかりなのは、子供の定期接種が減っていることだ。コロナ禍の時期に医療サービスに混乱が生じたことの影響もあったが、それ以前から接種率は低下し始めていた」と、ローは説明する。

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「『そんな病気にかかった人は見たことがない。ワクチンなんて必要ない』という発想が広がっている。それに加えて、ワクチンの有効性と安全性への不信感が広がり、誤情報も蔓延している」

カギを握る「5%」の選択

キアンやローらの研究チームは、子供のワクチン接種率の想定ごとに、はしか、ジフテリア、ポリオ、風疹という4種類の感染症の全米での感染拡大状況のシミュレーションを行った。

いずれもワクチン接種によりアメリカで排除された感染症だが、生涯続く麻痺、先天性疾患、死亡など、恐ろしい合併症を引き起こす可能性がある。

「今は非常に多くの人がワクチンを接種して免疫を獲得しているため、これらの感染症はほとんど広がっていないが」と、ローは言う。「接種率がさらに長期にわたり下落し続ければ、集団感染の頻度が増し、規模も大きくなる。いずれは、再びなじみ深い病気になるだろう」

約20年以内にエンデミックになる恐れ
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