モスブリッジ博士はブガ・スフィアについて「UAPではなくアート作品」だと考えているものの、「この物体が話題になることで、UAPに関する対話が活性化されるのは良いこと」と述べた。

「もしこれが本当にUAPなら私は驚くが、それもあり得ない話ではない。ただし、こういった物体が本物のUAP調査の信頼を損なう可能性もある」と警鐘を鳴らしている。

博士によれば、UAPの存在が広く知られるようになってきたとはいえ、各国政府がより多くのデータを共有し、国際協力によって人類全体の理解を深める必要があるという。

「政府はこうした『謎』が人々に与える心理社会的なポジティブ効果についてもっと考えるべきだ。人は自分たちを超えた何かに意識を向けたとき、大きく行動が変わる」と語る。

また、人々が未知の存在を追求するのは「理解できないものへの恐怖を和らげたいという本能的な欲求」が背景にあるとも指摘する。

「人間は安全を感じたいから、物事の仕組みを説明したがる。人間心理を理解し、何でも知ろうとする意識を持つことが、実は最も安全な姿勢なのかもしれない」とモスブリッジ氏は話す。

ブガ・スフィアの正体解明に向けた今後の動きは、現時点では明らかになっていない。

モスブリッジ氏は「しかるべき機関が調査すれば、さらに詳しい分析が可能になるはず」と述べる。

また、こうした現象に人々が自ら遭遇し、記録を残していくことで、UAPへの理解が深まっていくと期待している。

「空にあるもの、水中にあるものを人は見ることができる。もう『隠し通せる時代』は終わったと思う」とモスブリッジ氏は語った。

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