米シンクタンク「戦略国際問題研究所」のニコラス・フェントンは、今こそアメリカと同盟諸国が力を合わせてロシアの資金源(原油等の輸出)を断ち、一方で資本の流出を促すべきだと主張する。

フェントンによれば、これまでの経済制裁は時間をかけてじわじわと圧力をかける仕組みだった。それが効かないのなら「急激に強い圧力をかける。そのほうが大きな成果を得られる可能性がある」。

ロシアの大手石油・天然ガス会社でも、政府系のガスプロムやルクオイル、ロスネフチなどは今も制裁の影響をほとんど受けていない。

キーウ経済大学の政策研究部門を率いるナターリヤ・シャポワルは、これら企業の海外銀行口座を凍結すればロシアの資金力を大幅に削ぐことができると指摘する。これら企業と取引のある企業や個人にも制裁を科せば、ロシアの石油大手が事業を継続するのは極めて困難になるだろう。

ちなみに米議会では今、共和党のリンゼー・グラム上院議員が「ロシア産の原油・天然ガス、ウランその他の天然資源を買っている国」に500%の懲罰関税を課すとの法案を用意している。本人によれば、この法案には超党派の支持があるそうだ。

今の政権は、大統領の意向に沿わない政策を持ち出す議員を容赦しない。しかし今のところ、グラムには何の圧力もかかっていない。ならば、トランプが「友人」プーチンに対して強気に出る可能性は残っているのかもしれない。そうであれば、今が絶妙なタイミングなのだが。

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