「トルコは過去14年間、シリア国民の闘いに寄り添ってきた。今後も、シリアの人々が平和と繁栄を実現するために支援は惜しまない」

一方、新たな紛争の脅威が迫るシリアでは、再び悲観論が広がっている。シリアの元外交官バッサーム・バラバンディは、「トルコはイスラエルの行動からシリアを保護する意思も能力もない。イスラエルは紛争のさらなる長期化ではなく、真剣に平和を目指す意思を示すべきだ」と語る。

トランプは、暫定政権を率いるアッシャラアに関与する姿勢を示していない。昨年12月にアサド政権が崩壊した際は、アメリカはシリア情勢に「一切、関与するべきではない」と述べた。

この時期にトランプは、エルドアンがシリアの将来の「鍵を握るだろう」とも語り、「とても賢明な」人物だと称賛した。

しかし、米政権の中東政策の焦点はガザ問題に大きく傾き、トランプとネタニヤフが緊密に協議を重ねている。また、イエメンの反政府武装勢力のフーシ派および彼らを支援するイランとの緊張が高まっていることも、アメリカは注視している。

シリアがまたしても、他国の対立に翻弄されて標的になることをバラバンディは嘆く。「シリアは自分たちの国が、地域大国の勢力争いの戦場になるところを見たくはない」

(編集部注:イスラエルとトルコはシリアでの偶発的衝突を避ける枠組みの構築に向けて、4月9日に高官協議を始めたと報じられた)

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