オバマ米大統領は12日、最後の一般教書演説で、米国は異例な変化に直面しているものの、米国民が結束すれば試練を克服できると表明した。

 大統領は「それは、われわれの政治を修正してこそ実現する」と指摘した。

 オバマ大統領はまた、米国が経済的に衰退つつあり、国際社会における地位も低下しているというのは、事実ではないとの見方を示した。

 イスラム教徒の入国禁止を提唱するなどの強硬姿勢で人気を集め、米大統領選の共和党指名争いで支持率首位に立っている実業家トランプ氏を念頭に、オバマ大統領は、イスラム教徒を侮辱することは米国の国益にはならず、米国のアイデンティティーに反する、と語気を強めた。

 大統領は「政治家がイスラム教徒を侮辱しても、米国の安全性は高まらない」と主張。「それは間違った行いだ。国際社会が米国を軽んじることにつながり、我々の目標達成も遠のくことになる」と強調した。

 過激派組織「イスラム国」との戦いについては、誇張して述べるべきではないとした上で、米政権は同組織の壊滅を目指していると言明した。

 大統領は「われわれがイスラム国の壊滅に注力するなか、(この戦いを)第三次世界大戦と誇張して表現することは彼らの思うつぼになる」と指摘。

 「われわれは彼らをありのままの姿である殺人者、狂信者と呼び、根絶し破壊しなければならない」と述べ、イスラム国壊滅に向けた軍事力行使権限承認(AUMF)を議会に要請した。

「レガシー作り」を意識

最後の一般教書演説ということもあり、オバマ大統領は自らの「レガシー作り」につながるようなテーマに時間を割いた。たとえば、刑事司法改革や、通商、貧困撲滅など、議会共和党と妥協しやすい分野だ。

 オバマ大統領は一般教書演説で、環太平洋連携協定(TPP)の批准や、銃規制の厳格化、対キューバ禁輸解除などを議員に訴えかけた。

[ワシントン 12日 ロイター]
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