モルガン・スタンレーで韓国・台湾担当エコノミストを務めるキャスリーン・オー氏は、「韓国が直面している人口推移は、世界でも最も困難なレベルにある。政府は6月に「人口非常事態」を宣言したが、それは決して誇張ではない」と語る。

「リアルな危機感が感じられ、関連当局がその場しのぎの対策ではなく、構造改革に向けて動いているのは朗報だ」

昨年実施された政策転換の1つは、父母双方が育児休暇を取得する場合に給与が全額支給される期間を、それまでの最長3カ月から6カ月に延長したことだ。

さらに、父母双方が取得する場合、育児休暇の最長期間が1年から1年半へと延長された。

父親の育児休暇も、最長10日から20日に延長された。中小企業の従業員については、政府が休暇期間中の給与を肩代わりする。

政府は今年から、上場企業に対し、法令で定められた提出文書に育児関連の統計を記載することを義務付けるとともに、政府の少子化対策プロジェクトに対するインセンティブ、中小企業を対象とする助成金を提供するようになった。

こうした政策は実を結び始めているようだ。

23年の婚姻件数はコロナ禍後の反動で12年ぶりに増加に転じ、さらに2024年には、過去最高のペースで急増した。昨年の政府の調査では韓国民の52.5%が結婚に対して肯定的な見方を示しており、14年以降で最高の数値となった。

翰林大学のシン・キュンア教授(社会学)は、「政府は、制度面で打てる限りの手を打っている。今求められるのは、より多くの企業がこうした少子化対策を取り入れることだ」と語った。

若い世代の中には、「この勢い」と無縁の人たちもいる