メリットデメリットを具体化する

先ほどの、「仲良くなりたい友達がいるのに自分から声をかけられない」という例であれば、声をかけるメリットは「仲良くなりたいという自分の思いを知ってもらえる」「友達になれるかもしれない」ことで、デメリットは「自分から声をかけるのは恥ずかしい」「無視されたり、冷たくされたりしたらショックで立ち直れないかもしれない」といったことになるでしょう。

この場合、本人が得られるメリットよりもデメリットのほうが大きいと考えたため、「快追求」の行動スイッチが入らずに動けないわけです。

ですから、メリットとデメリットを明確にしたうえで、デメリットを最小化するサポートをしましょう。たとえば、いきなり「友達になろう」と声をかけるのは、ハードルが高いから、「明日の朝、ひと言あいさつをしてみることから始めてみよう」などとアドバイスすれば、相手が動ける可能性が高まります。

また、「担当したい仕事があるのに挑戦しようとしない」という場合であれば、メリットは、「やりたい仕事ができる」になりますが、デメリットはあまりありません。

では、なぜ動けないのでしょうか。原因は、メリットが具体的でないので「快追求」の行動スイッチが入らないことです。ですから、その仕事をすることで得られるスキル、経験、人脈などメリットを具体化するサポートをすれば、挑戦できるようになります。

このように、相手が口先ばかりで動かないときはメリットとデメリットを具体化し、「快追求」の行動スイッチを入れる、もしくは「不快回避」の行動スイッチをオフにするためのサポートをすれば、相手もスムーズに動くことができます。

※第1回はこちら:2つのシンプルな行動で「指示通りに動く部下」が育つ!...1つ目は「名前呼び」、もう1つは?

※第2回はこちら:「仕事相手に興味を持てない...」疲れるコミュニケーションからの脱出法は「パンダじゃなくて笹に注目」

大平信孝

株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役。目標実現の専門家。メンタルコーチ。中央大学卒業。長野県出身。脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。13冊の著作の累計発行部数は58万部を超え、中国、台湾、韓国、タイ、ベトナムなど海外でも広く翻訳されている。

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