──現在は環境省で仕事をされているそうですね。

下川町ではSDGsに関する業務のほか、2年目に広報、3年目は移住促進を担当していました。ある日上司から「脱炭素の勉強をしてみないか?」と言われ、2024年4月から環境省に出向することになりました。

担当業務は、自治体における脱炭素の促進をするための計画である「地方公共団体実行計画」の策定や、地域脱炭素事業の支援です。

実際に働いてみて、国の目指す方向性と自治体の想いとの間のギャップに気付くことができました。それぞれの事情を理解して歩み寄ることができれば、行政間だからこその阿吽の呼吸で政策を進めることができ、より良い国を目指せると思います。

下川町に戻ったら、国と自治体の両方で働いた経験を生かし、国の意図を把握し、実務に反映し、現実に合った提案ができるような町にしていけたらいいですね。

──最後に、学生へのメッセージをお願いします。

偉そうに言えることはありませんが、大学時代は最も自分の探求心を追求できるので、存分に「もやもや」や疑問を育て、追求すると楽しいと思います。特に、どこにでも飛び込めるのは学生のメリットです。

「今SDGsの研究をしています」「環境政策に携わっています」と言うと企業の方も受け入れやすくなるので、利用できる肩書は全て利用して、たくさんの人に会って、色んな視点での刺激を受ける。SDGsの環境・経済・社会の3本柱のように、様々な立場、考え方の人に触れることで、色んな観点から物事を見れるようになると思いました。

また、SDGsは正解ではないと思っています。実際に読んでみると当たり前のことを言っていますが、大きな社会課題となっている原因が言及されていなかったりなど、「完璧」ではないんです。私は、自分の行動に対して説明ができるようにしたいと思っています。

SDGsやサステナビリティの何に共感をしているのか、どこが課題だと思っているかが自分なりにあると、ポストSDGsなどの新しい政策ができた際や、コロナ禍のようなニュースタンダードに身を置かれた際にも、自分らしくライフ・キャリア形成をしていけるのではないかと思います。

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