<アメリカ第一主義の名の下に取られた措置は、皮肉にもアメリカの「真の長期的利益」に真っ向から反している>

ホワイトハウスへの返り咲きを果たしたトランプ米大統領は、選挙公約の「アメリカ第一主義」をすぐさま行動に移し始めた。

これまでのところトランプは、対外援助の資金拠出の一時凍結、WHO(世界保健機関)からの脱退、地球温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定からの離脱を宣言している。

対外援助の90日間の凍結は表向き、援助プログラムの有効性を審査するためとされている。

しかしこの審査には時間と専門知識が必要で、全てのプログラムについて3カ月で適切な見直しを行うのは不可能だ。この凍結によって既に多くの貧困国では、エイズや結核、マラリアによる死を防ぐプログラムが混乱に陥っている。

数千数万の医療従事者や援助機関職員が無給の休職に追い込まれ、多くは生活のために別の仕事を探すしかなくなる。資金拠出が再開されたとしても、その頃には専門知識を持つ多くの人材が失われている可能性がある。

現在進行中の臨床試験も中断を余儀なくされ、数カ月あるいは数年にわたって続けられてきた研究が無駄になっている。アメリカの援助を頼りにしている人々のことを本当に気にかける政権なら、審査結果が出るまで資金拠出を続けるはずだ。

そもそも今のアメリカには、対外援助を削減する財政上の差し迫った理由など見当たらない。

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アメリカの拠出額はWHOの約15%
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