国連は裕福な国々について、国民総所得(GNI)の0.7%を対外援助に充てるという目標を掲げている。

しかし2023年にこの基準を超えたのはノルウェー、ルクセンブルク、スウェーデン、ドイツ、デンマークの5カ国のみ。アメリカの対外援助はGNIのわずか0.24%だった。

WHO脱退にも、さほどの節約効果はない。WHOの年間予算は、米ロードアイランド州(人口約110万人)の保健関連支出の半分程度しかなく、しかもアメリカの拠出額はその約15%にすぎない。

アメリカのWHO脱退により、健康に関する問題での国際協力は大幅に減るだろう。米保健当局は、国外の疾病流行状況に関する情報を得にくくなる恐れがある。

一方で、アメリカのWHO脱退は外国の製薬会社を利するかもしれない。アメリカは新薬の効果や安全性、品質基準に関するWHOの議論に発言権を失うからだ。

トランプによる一連の動きの中で最も壊滅的な影響をもたらすのは、気候変動に関わるものだろう。石油やガスの増産推進、電気自動車(EV)に対する税額控除の廃止、そして何よりパリ協定からの離脱だ。

アメリカの1人当たりの温室効果ガス排出量は中国より50%多く、インドの7倍近い。これらの国は今後、アメリカが気候変動に関する国際的な目標に縛られないのだから、より貧しい自国経済が化石燃料を手放す理由はないと主張できる。

アメリカの利益に真っ向から反し
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