バイデンも悪しき前例に寄与

バイデンは20日午前、リズ・チェイニー元下院議員など、連邦議会議事堂襲撃事件について調査した下院特別委員会のメンバーや、トランプを批判してきたマーク・ミリー前統合参謀本部議長、さらには自分の親戚などに「予防的恩赦」を与えた。

確かにトランプは再び大統領になったら、自分を厳しく批判する連中に報復すると息巻いてきた。

だが、たとえそれを実行したとしても、チェイニーもバイデンの親戚も、裁判の場で潔白を証明できただろう。予防的恩赦はバイデンの波乱に満ちた政治家人生にふさわしい結末であり、民主党の立場を弱めた。

そして恩赦を与えられた人たちが実際に悪いことをしたかのような印象を与え、「バイデン犯罪一家」というイメージを確立してしまった。

予防的恩赦は悪しき前例も作ることになった。

今後はトランプも、その先の大統領たちも退任間近に家族や側近に予防的恩赦を出すだろう。バイデンの措置は、民主党がトランプの恩赦を批判する能力を失わせると同時に、共和党にバイデン一家を新たに調べさせる口実を与えた。

だがトランプの恩赦と、バイデンの恩赦のどちらがひどいかと問われたら、前者であることは間違いない。

バイデンの恩赦は、トランプが気に入らないという理由だけで粛清を受ける恐れがある人たちを救おうとするもので、一定の正当性がある。

自らの手は汚さずに選挙結果を覆そうとした