一時帰国のチャンスを

ドイツの法律は移民に対し、国外退去処分に異議を唱える法的手段を提供している。だがユディトはドイツで永住権を持たないシリア人には、実用的な観点から別の選択肢を考えるよう勧めている。

「例えばきちんと就職したり、専門職や高資格者ならEUブルーカードを取得すれば定住資格を得られる可能性がある」

人権活動家は、欧州諸国はシリア人を強制送還するのではなく、希望する人には帰国を支援し、そのほかの人々は人的資源として国内に滞在させるべきだと主張する。

フランスの難民支援団体ラ・シマーデのジェラール・サディクは、欧州諸国はシリア人に対し、保護資格を維持したまま、いったん帰国して現地の状況を確認できるようにすべきだと語る。

「問題は、帰国できる状況にあるかどうかを確認するためにシリアにいったん渡っただけでも保護資格を失う可能性があることだ」と、サディクは言う。「帰国が可能ならば帰国させるべきであり、自分の家が残っていることを確認したいならそのチャンスを与えるべきだ」

Foreign Policy logo From Foreign Policy Magazine

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 ベトナム化するイラン戦争
2026年9月1日号(8月25日発売)は「ベトナム化するイラン戦争」特集。

曖昧すぎる目標、敵国の軽視、自国軍事力への過信……長期化・泥沼化したベトナム戦争との共通点

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます