「ダブルバインド(二重拘束)」に陥る途上国

結果的に、途上国はダブルバインド(二重拘束)に陥っている。即時の救済がなければ気候債務の罠から逃れられず、必要な融資を得られなければ信頼性のある投資戦略の立案は困難で、今すぐ必要な無償資金供与のチャンスが減ってしまう。

気候変動対策資金に関する独立ハイレベル専門家グループによれば、途上国は気候資金として、30年までに少なくとも年間1兆ドルの外部からの融資が必要だ。その調達には、国際開発金融機関による融資の増加や政府と民間部門と慈善団体の協力体制の拡大が欠かせない。

新しい年、約束が言葉だけでないことを証明する貴重なチャンスを、富裕国は手にできる。25年11月に南アフリカで開催予定のG20首脳会議やブラジルで開かれるCOP30(国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議)は、公的債務をめぐる取り決めを前進させ、気候レジリエンス投資を大幅に増やす機会になり得る。

一方で、IMFや世銀をはじめとする国際機関は前進志向の政府や民間部門と協力して、レジリエンス投資に大きな経済的効果があることを示さなければならない。世界が三重債務危機を克服し、持続可能な未来への道を切り開くために──。

©Project Syndicate


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ベラ・ソンウェ(VERA SONGWE)

G20気候変動に対する世界的な資金動員のためのタスクフォース専門家グループ共同議長。


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グイド・シュミットトラウブ(GUIDO SCHMIDT-TRAUB)

顧問会社「システミック」パートナー。国連持続可能な開発ソリューションネットワーク元事務局長。

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