憲法が定める、健康で文化的な最低限の生活を送れるか。絶対水準で考えると、年収200万円は「低収入」で、世帯の類型によっては要保護のレベルと言ってもいい。ちなみに埼玉県労働連合会の試算によると、30歳未満の単身者が「健康で文化的な生活」を営むに足りる最低生計費は月額27.4万円だそうだ(税込み)。年額にすると約329万円。<図1>の年収分布に照らすと,働く人の半数以上がこのラインに達していない。男女の差も大きい<図2>。

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働く人の過半の年収が、最低生計費に届いていない。「年収200万円は低収入ではない」などと言う前に、絶対貧困が広がりつつある現状を憂慮すべきだ。

政府は、最低生計費のような統計指標を絶えず算出し公にするべきだ。最低生計費を下回る人がどれほどいるか、そのうち公的扶助の網から漏れている人はどれほどいるか、これらの情報を公開することが望まれる。

現在公表されている貧困率は、年収が「全世帯の中央値の半分未満」の世帯で暮らす人の割合で、あくまで相対的な意味合いにすぎない。貧困は、絶対水準の観点からも把握されなければならない。

<資料:総務省『就業構造基本調査』(2022年)

【グラフ】日本の就業者の年収分布ピラミッド