生産拠点の国外流出については、アメリカ人労働者vs外国人労働者の単純な図式で議論されがちだ。そこで見過ごされているのは、工場の国外移転で企業の利益が増えること。解決策は安価な労働力の利用を制限することではない。増えた利益の一部を税制改革などを通じて富裕層から貧困層に再配分し、経済のグローバル化の恩恵がより公平に行き渡るようにすることだ。

民主主義国家では通常、選挙後に人々が心配するのは公約が守られるかどうかだ。その点、2024年の米大統領選は例外的なケースになった。勝者が公約を実行するのではないかとアメリカ人が、そして世界中の人々がハラハラ見守っているのだ。

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NW_PSC_Kaushik_Basu_2_Profile_130.jpgカウシク・バス

KAUSHIK BASU

インド出身の経済学者で、現在は米コーネル大学教授(経済学)を務める。過去にはインド政府の首席経済顧問(2009~12年)、世界銀行の上級副総裁兼チーフエコノミスト(12~16年)などを歴任。
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