<努力とは、競争心とは...。世界最高の頭脳とも称されるオードリー・タンですら悩んでいた。その生き方から一般人が学べることは実は多い>

学歴戦争の戦場で勝敗を競う中で、心を病む若者が世界中で増えている。「努力さえすれば成功できる。失敗は努力不足」と彼らは考える。

若き天才と呼ばれ、14歳で学校を辞めたオードリー・タン(唐鳳)だが、彼女もまた「教育システムから離脱したばかりのころは、まだ競争心が残っていた」と振り返る。

そんなオードリーがたどり着いたのは、「ジグソーパズル」的スタンスだった。

働き方から学び方、時間の使い方、心の整え方まで、世界最高の頭脳から人生の質を高める方法を学べる最新作『オードリー・タン 私はこう思考する』より、一部を抜粋・再編集して紹介する(本記事は第2回)。

※第1回:オードリー・タンが語る「独学と孤独」 答案を白紙で提出し、14歳で学校を辞めた天才の思考

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独学において大切なこととは

台湾の国民中学(台湾の義務教育の一部で、日本の中学校に相当)に入学したオードリーだが、学校教育では彼女の求める学びを十分に得ることはできなかった。しかし当時、教育部(台湾の教育文化政策を担当する官庁)はまだホームスクーリングを正式に認めていなかった。

幸運だったのは、中学2年のときの校長が進歩的な思想の持ち主だったことだ。校長はオードリーに、試験の日には必ず登校すると約束させ、それ以外の日は自宅で学ぶことを許可した。それ以降、ホームスクーリングを通じて徐々に独自の知識体系を築いていくことになる。

若き日のオードリーは、自宅から通いやすい国立政治大学で、哲学分野の講義をたびたび聴講した。

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能力主義によって競争心が強まった80年代
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