暖かい場所での冬越しは本当に有利か?

暖かい地域で冬を過ごして体温を保つメリットは、隠れたコストによって相殺されているのかもしれないと研究者は推測する。

「仮説は幾つかある。同じ量の餌をとるためにもっと動き回らなければならないのかもしれないし、天敵に追いかけられている可能性もある」とヤンコは本誌に語った。

たとえ動くことにエネルギー上のメリットはなくても、繁殖上のメリットはあるかもしれない。

「温度調節によるエネルギー節約を繁殖のために使っている可能性もある。卵を大きくしたり、質を高めたりする助けになっているのかもしれない」(ヤンコ)

今回の研究には、鳥類の行動に関する理解を深める以上の意味がある。「渡りを支える生理学を理解することで、どの種が順応できるのか、どの種が渡りのパターンを変えるのか、地球温暖化に伴いどの種がリスク増大にさらされるのかを予測しやすくなる」。上級筆者でプランク研究所のグループリーダー、ジェスコ・パルテッケはそうコメントしている。

(翻訳:鈴木聖子)

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