循環型の生産・消費モデル「クローズドループ」の構築へ

ワールドは2009年から、自社ブランドに限らず不要な衣料品を引き取り、リユースやリサイクルを促進するキャンペーンを実施している。今後は、これらの取り組みを拡大していくと、SDGs推進室室長の八木恵美子氏は語る。

「将来的には、引き取った衣料品をリサイクルし、CIRCRICとして新たな洋服に生まれ変わらせるような、循環型の生産・消費モデル『クローズドループ』の構築を目指していきます」

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回収されたウールのニット製品などから再生して作られる「リサイクルウール」

事業の成長という「経済的価値」と、資源の保全やCO2排出量削減という「社会的価値」の両立を目指すワールドの取り組みは、強い危機感から生まれたものだと八木氏は続ける。

「もし、サステナブルな仕組みのないまま、高い環境負荷のままに多様性を追求すると、もはやファッションがファッションではなくなり、アパレル産業自体が持続できなくなってしまうのではないでしょうか。私たちは、こうした危機感のもと、アパレル産業の環境対応を牽引していきます」(八木氏)

ワールドは2030年までに、「アパレル製品1点あたりのCO2排出量を2022年比で20%削減」「年間1000万点の衣料を回収・再利用」という目標を掲げている。

過去30年以上にわたり「ロス・ムダを価値に変える」事業戦略を推進してきたワールド。不要になった服をリサイクルし、再び新たな素材として衣料品に生まれ変わらせる循環型ビジネスモデル「クローズドループ」の実現を目指す同社の姿勢は、持続可能な未来に向けたひとつの指針となるだろう。

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