ファン想いである点も安定した活動が続けられる秘訣ではないだろうか。彼女たちはデビュー記念日となる4月19日が来ると、必ずと言っていいほどファンのための新曲をリリースする。冒頭で紹介した「Tap Clap」もそのひとつだ。歌詞は、"心配や不安はあるけれど、これからも一緒に生きていこう"とファンに呼びかけたもの。おそらく自分たちを長年応援してくれる人たちが30歳前後になったことを意識して作った曲だと思われる。
時代の空気を読める有能なスタッフの存在
Apinkを語るうえで、男性プロデューサー・新沙洞の虎(韓国語の読み:シンサドンホレンイ/2024年2月に40歳の若さで逝去)の存在も忘れてはいけない。彼は音楽制作を通じてBEAST(現HIGHLIGHT)、T-ARA、EXIDといったビッグネームがスターダムにのし上がる手助けをしているが、Apinkにも前述の「My My」を筆頭に多くの代表曲を提供している。
サウンドメイクの特徴は、"印象的なフレーズの繰り返し"。K-POPは一時期、「中毒性のあるサウンドが多い」とよく言われたが、それは新沙洞の虎の楽曲がヒットチャートによく入っていたのが主な要因だ。彼のような時代の空気を読める有能なスタッフが近くにいたからこそ、Apinkは安心して妖精のまま居続けられたのだと思う。
以上のように振り返ってみると、近年のK-POPシーンで彼女たちのようなタイプは他にないと痛感してしまう。活動15年目に入ったApinkが、この先どのくらい"妖精ドル"をやり続けられるのか──。個人的ではあるが、これが大きな関心事のひとつとなっている。