筆者は、このプライミング効果を学生に教えるときには、必ずクイズを出す。

先生「シカって、10回言ってみて」

学生「シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ」

先生「サンタクロースが乗っているのは?」

学生「トナカイ」

と、ほぼ100%、こういう会話になる。もちろん、正解は「そり」である。「シカ」と言わせず、いきなり質問したら、まず間違えないだろう。しかし、シカを10回唱えるうちに、関連する単語(この場合は、トナカイ、バンビ、奈良など)が意識のすぐ下に集まってくる。そのため、ちょっと潜在意識をつつけば、すぐに「トナカイ」が意識に上るのである。これがプライミング効果だ。

こうした効果が人に備わっているのは、脳のコストパフォーマンスのためである。コンピューター用語を借りるなら、キャッシュ、マルチタスク、バックグラウンドプロセスといった機能と同じだ。無意識の世界で、脳内の「小人さんたち」が、一生懸命働き、意識が効率よく働けるよう、下準備をしているのだ。

どんな時に意識は立ち上がる?
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